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ウィキペディアに寄付をお願いしたい7つの理由

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ウィキペディアに寄付をくださる皆さんは、さまざまな期待を込めておられることと拝察します。ウィキペディアを運営する非営利団体「ウィキメディア財団」は、お受けした寄付金全額をウィキペディア、ウィキメディアのプロジェクト群、その他の無料の知識の使命に使うことをお約束します。

毎日、ウィキペディアを開く人は大勢いても、ではそのアクセスが絶えないようにするには何が必要か、はっきりとわからないままではないでしょうか。その点を以下に7つ示しますが、いずれも皆さんからウィキペディアにご寄付をいただきたい理由でもあります。ウィキメディア財団という存在と役割をご説明し、皆さんからいただいた寄付金がどれほど重要かお伝えしたいと思います。

  1. 非営利活動法人として、ウィキメディア財団は世界の読者や寄付者の皆さんのおかげで独立性を保っています。

ウィキペディアはお金もうけをしない団体が運営していると聞くと、びっくりされる人がたくさんおられます。実際には、グローバルなウェブサイトのアクセス数上位10件で、ウィキペディアだけが非営利組織の運営です。

広告収入で運営しない、購読料や会費を取らないことが重要で、 個人情報を売ってお金を稼ぐこともしません。運営経費の大部分は、ウィキペディアの読者の皆さんがくださる寄付金に支えられています(1口平均$11アメリカドル )。ウィキペディアのページ上で寄付のお願いのバナーをご覧になり、クリックして手続きしてくださいます。この寄付モデルは私たちの独立性を守ってくれるもので、特定の団体や個人がウィキペディアのあり方や内容を操縦する事態がないように作用します。
これまで長年にわたり、非営利組織としてこの業界の最善手法を守って来ましたし、常にチャリティー・ナビゲータ(Charity Navigator)など非営利の評価団体から財政の効率性と透明性について、最高ランクの番付を受けて来ました。また年次報告書を一般公開して財政報告ならびに募金事業報告をどなたにも読んでいただけるようにしています。

  1. ウィキペディアは数百万、数千万もの読者にサービスを提供し、運営経費は他の最上位ウェブサイトの数分の1でまかなっています。

ウィキペディアは毎月、閲覧数が150億回超に達しています。営利インターネット企業の多くと比較しますと、当財団は(比較相手より多くないとしても)世界的なトラフィックは同等レベルでありながら、予算も人員も数分の1で対応しています。当財団は職員700名超を雇用しています。その大部分は製品と技術部門に所属し、ページ読み込み時間の短縮、セキュリティの心配がない接続、閲覧や編集の体験改善に努めています。職員はソフトウェアとインフラを管理し、対応言語300超という世界屈指の多言語サイトの一つとして知識を閲覧できるようにしています。ウィキメディア独得の使命も業務と照らし合わせるなら、Google社が提供する翻訳機能は133言語対応、被雇用者数はMeta※17万名超で同じくReddit※2はおよそ1400とされています(訳注※:1=Metaは旧称Facebook社。2=Redditは英語圏で利用されている掲示板型ソーシャルニュースサイト))。

  1. 読者による寄付は技術を支援し、読者や編集者が知識を共有する場としてウィキペディアを成立させ、読んだり改訂する方法の改善を支えています。

財団の年次予算のおよそ半分はウィキペディアとその姉妹プロジェクト群の維持管理に直接、充当されています。具体的にはウィキペディアの技術面のインフラが月間数億回のアクセスに対応できるようにしますし、システム管理になくてはならない人材の人件費として、サイトの信頼性技術、ソフトウェア技術、セキュリティその他の役割を恒常的に保っています。
ウィキペディアを300超の言語で提供するには、読者も編集者もそれぞれが使いたい言語で読んだり投稿したりできるように、最高水準の多言語技術が求められます。また寄付金の使途として、ウィキペディアにおける利用者体験の改善、さらにボランティア編集者のグローバルなコミュニティの拡張を支えることにより、当サイトの知識を増やし、常に現実に即して正確で、役に立つように保っていけるのです。

  1. 変化するテクノロジー環境にいる私たちは進化し続け、新たなニーズに応え、世界的脅威が新たに現れても課題に対応していきます。

ウィキペディアを創設から10年目までの期間に定期的に読んでおられた皆さんなら、きっとエラーメッセージが画面に出るなどの経験を一度はされたことでしょう。技術への着実な投資を重ねてきた現在では、もう、そのような事態は発生しなくなりました。投資の更新により、トラフィックがかつてないほど急増したときですら軽々と処理できますし、閲覧や編集の中断を予防しています。

また新たな課題にも適切に対応し、高度な偽情報戦術や政府による検閲などの脅威、サイバーセキュリティ攻撃、さらにウェブを規制する法案の変更などにも対処しています。セキュリティのプロトコルが更新されたおかげで、当財団のサイト群が攻撃者に悪用される可能性は抑制されますし、無料の知識をめぐる私たちの使命を守るため、当財団法務担当者も力を尽くしています。

現在、トラフィックの過半数をモバイル機器のアクセスが占めるようになりました。音声入力に連動した機器やウェブサイトでは、自社サービスの利用者ニーズに応じようと、ますますウィキペディアを援用する傾向を強めています。そこで私たちは進化の歩みを止めることなく、これらの需要に応じていきます。
編集記:この文章は当初、2022年11月に投稿したため、その後、ウィキメディアのボランティアのコミュニティばかりかウィキメディア財団も人々が知識を求める方法を人工知能がどのように変容させるか、探ってきました。私たちとしては最近、チャットGPT対応のウィキペディア用プラグイン試作版を新たに開発して情報の帰属と引用を適切に提供し、これによりウィキペディア利用者の皆さんが最新情報を検索できるように整えました。

  1. 私たちは財政経営に責任を持ち、ウィキペディアの当面の需要と長期的な持続可能性をバランスさせます。

おそらく皆さんも、普通預金と定期積立預金の口座は使い道を分けておられるかと思います。

たぶん片方は日常の出費に当てて、もう片方は緊急事態用、つまり自家用車がいきなり故障したなどのため、あるいはまた退職後の家計などの長期的な経済計画に備えておられるのではないでしょうか。

非営利団体もそのあたりは似ています。私たちには普通預金のような役割を果たす口座が2口あります。また寄付基金口は、経済危機などの緊急事態、資金面の万が一に備えるために設けてあります。

その財団寄付基金口(endowment)は長期にわたる恒久的な資金源という存在です。寄付基金の投資で得た収益を土台に、ウィキペディアおよびウィキメディアのプロジェクト群の将来が安定します。これら寄付基金口の資金は、特定の長期目的のために確保して手をつけません。その点、当年に実施する現在の活動の資金には、ウィキペディアの読者の皆さんからお預かりした個別のご寄付の大部分を使います。
あらゆる種類の組織において、資本運用方針の策定、健全な財務準備金の維持は最善手法と認められています。 ウィキメディア財団理事会は資本運用方針の定義にあたり、たとえ、私たちの活動やウィキメディア提携団体(日本語ページ)の各種グループにおいて計画外の出費や緊急事態または収入不足が発生した場合であっても — 世界的な使命を担う全世界ネットワークとして — ウィキペディアやウィキメディアのプロジェクト群を継続して支援して、ボランティアの皆さんを助けて支えていくことを第一義としました。この方針はまた、支出に充当するキャッシュフローを年間を通して十分に確保することも可能にします。

  1. ウィキペディアへのご寄付は、皆さんから私たちへの何よりの応援です。「世界中のあらゆる知識を載せるように」というご声援をありがとうございます。

ウィキメディア財団の助成金事業では、世界各地の個人の皆さんや組織を対象に、無料の知識の多様性と普及性、質も量も豊かにする活動を助成しています。この4年間の資金供与の実績は、世界の94の国と地域でウィキメディアのボランティア・コミュニティに向けて総額4千7百万アメリカドル超を達成しました。最近、年次予算の配分を見直して、ウィキメディアの提携団体のうち活動歴が短く規模が小さくても助成対象に含めるようにしたばかりです。

確かに目の前にある知識の格差はまだまだ大きいものの、ウィキペディアが載せる内容はますます世界をグローバルに映し出すようになりましたし、それは当サイトに投稿する編集者の皆さんの構成がそのように変わったことの現れでもあります。一例を挙げるなら2020年から2023年の期間にサハラ以南のアフリカで活動するボランティア編集者のコミュニティ成長率は36%増になりました。これはとりもなおさず、ウィキメディアのボランティア提携団体その他の皆さんがプログラムに従って綿々と努力を重ねられたからであり — 多くの事例で助成金や研修などの支援を財団から提供させていただきました。

ウィキペディアのボランティア分布が世界各地に及ぶかどうか、私たちが気にかけている理由でしょうか? それは、投稿者の姿がそのままウィキペディアに投影されるからです。多種多様なものの見方が集まると、品質が高まり、多くの人の知恵を拾って共有でき、読者の一人ひとりに関連性のある知識を盛り込めるからでもあります。

  1. 読者の皆さんが貢献されるからこそ、私たちは前へ前へ進めます

ウィキペディアにお返しをしてくださる個人の皆さんは — 寄付金でも応援メッセージでも、ページの編集あるいはそれぞれのご発案で手を差し伸べてくださる場合も  — 毎日、私たちの元気の素になっています。この機会にウィキメディア財団職員一同よりお礼を申し上げたいと思います。これまで皆さんがご寄付に添えてくださったメッセージをお預かりしていますので、その中から特に私たちの心に響いたものをいくつかご紹介します。きっと皆様にも何か伝わるのではないかと願っています。

ウィキペディアの優秀さにはいつも驚かされています。私の場合、コンピュータ・モニターを2台置き、片方で科学記事や医学記事を読むのですが、専門用語の意味や背景情報がますます曖昧になるばかりなので、常にもう1台でウィキペディアを開けておき、確認しながらの作業です。ウィキペディアは人類史で最大の共同プロジェクトだそうだけど、肝心なのは世界で最も優秀という点です!

アメリカ合衆国の寄付者より

ウィキペディアを今日も使えるようにしてくれて、本当にありがとうございます。誰か特定の人に独占させないようにすること、完全性や品質や気高さを保つこと、遠隔地にいても誰でも読めるようにすること、特に現代のように金、金、金のデジタル世界で妥協を許さず前進し続けること。それがどれほど難しいか理解していればこそ、感謝の言葉しかありません。

インドの寄付者より

さて、読者の皆さんがウィキペディアにお贈りくださるご寄付の意義と重みをご理解いただけましたなら、望外の喜びです。何かお尋ねになりたい場合は、お手数ながらよくある質問集(日本語ページ)をご参照ください。

もしウィキペディアにご寄付いただけるお立場でしたら、こちら(日本語ページ)からお手続きいただけると大変有難いです。

編集記:この投稿は当初、2022年11月3日に掲載しました。2023年10月時点でデータポイントや数値とリンク類をいくつか更新し、より直近の情報に差し替えてあります。

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